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尾崎潤子歌集
『七月の蜻蛉』

・葱坊主ならぶ畑に風吹けば
足踏みオルガン鳴るかとおもふ
・その曲線うるはしきかな
その値段おそろしきかなサクソフォーンの
・不透明な未来といへど喜ばん
たつた今ここで生きてゐること
過不足なく表現された、爽快な作品世界。
尾崎潤子さんの歌は、そのように、出発時から整っていたのである。
その行き方が順調に推移する中、大病に遭遇。
勁健な尾崎さんはしかし、病と闘いながらまた成長した。
そうして歌は、さらに豊かになってきている。
(狩野一男・帯)
第1歌集
平成24年4月8日発行
コスモス叢書第993篇
四六判上製カバー装248頁
定価:本体2500円[税別]
装幀/真田幸治 |
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菊池孝彦歌集
『彼の麦束』

・梅雨明けてはや秋立ちぬ
ひかりより風より迅し語の到来は
・ふゆの河ながれさびしき顛末は
わたくしといふ橋上の人
・朝をわたるひかりのなかを
花びらのひとつひとつ 暗渠へと続く水路に
季の推移のなか、
世界を俯瞰する眼差し。
静謐なる声は、
日々を鋭く照射する。
定型によって
己の存在を自問する最新歌集。
第3歌集
2012年3月18日発行
四六判上製カバー装134頁
定価:本体2000円[税別]
装幀/真田幸治
カバー写真/著者 |
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菊池孝彦歌集
『まなざさる』

・生きるのにほどよいひねくれ方をするは
なかなかのもの
・憤死という死に方あり
憤生という生き方ありやなしや
・帰らんとする者さまよいはじめる者ありて
今が夕暮れ時ぞ
手づかみの直接性に切り込もうとしていた熕」の手法と通ずるものがあるが、直観力というかねじり方という点では、菊池さんのは知的直観力という面がつよいようだ。
(三井ゆき・栞より)
第2歌集
2012年3月3日発行
四六判上製カバー装110頁
定価:本体1800円[税別]
装幀/真田幸治
カバー写真/著者 |
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CD−ROM版
『多久麻歌論集+5歌集』

歌論「包括詩としての短歌」「現在短歌論」「二十一音節英語定型」、実験としての「声読歌集」、一貫してオリジナルを追求、短歌実作への応用を試みた著者六十年の集大成。既刊歌集一冊と未完の歌論集、四歌集を収録。
歌論集280頁、収録歌数約2700首
歌論集
『暦年』1952−2010
歌集
『そして白堊』1983−1994(2006年 短歌新聞社刊)
『帽状期』1995−1998
『鐘状期』1998−2001
『鐘状期以降』2002−2005
『萠出期』2006−2011
多さんの笑い声/中地俊夫
2012年3月9日発行
定価:本体2000円[税別]
装幀/真田幸治
*直販のみ |
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葉山宣淳歌集
『屑籠の歌拾遺』

・豊かさにパラドックスなどあるわけが
ないじゃないのと茄子の漬物
・頼まれて七味を買いに街に出て
夏の祭りにまぎれゆきたり
・忘れ去ったはずの記憶がよみがえる
老いは素描の如きものなり
「東海短歌」発表作(1955年〜1957年)、
「未来」発表作(1985年〜2011年)、
約1800首を収録。
喜寿を過ぎ、短歌により来し方を振り返る。
第1歌集
平成24年3月8日発行
四六判上製カバー装368頁
非売品(入手ご希望の方はお問い合わせください)
装幀/真田幸治 |
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神代勝敏歌集
『庭の時間』

・捨て子猫うごく落ち葉にたはむれて
ああそののちに横たはりをり
・若者が猫にツナ缶食はせゐる
二十三時のコンビニの前
・訪問しレントゲン写真撮りにきて
まづその家のコンセントをさがす
職業詠や医療の現場からの歌は少ない。最初わたしはそれを残念に思った。でもそのスタンスが神代さんらしくも思えてきた。何事に対してもすこし遅れて、ちょっと角度をつけてつきあっていくよりない人がいる。それがその人の性分である。神代さんの歌はどれもこれもそういう表情をたたえていて、一人でそこに佇み、戻ることなく過ぎてゆく人々や、季節の鳥や、花を惜しんで眺めている。長い間「短歌人」の校正や雑事を黙々と果たしてこられた。「短歌人」はこの寡黙な人に対して恩義がある。著者とともに初々しいこの刊行をよろこぶ。
(小池 光・帯より)
第1歌集
2011年11月12日発行
四六判上製カバー装186頁
定価:本体2200円[税別]
装幀/真田幸治 |
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久保芳美歌集
『金襴緞子』
第4回日本短歌協会賞受賞

・ぴろぴろの薄いレンズを眼にいれる
ああ人々は輪郭をもつ
・ファッションで愛するフリをするならば
金襴緞子でずっしりどっしり
・ゆゆゆゆゆ由々しい比喩のドレス着た
言葉が裾踏みおおお危ない
作者は、文字や人名や成句といった“記号としての言葉”によって、妖怪的な自己と人間的な自己との接続をたえず試みているのではないか……
(佐藤弓生・栞より)
注目したのは、この作家が「言葉」つまり短歌も同じような「演出の所産」とみなしていることだ。「装い」と「本質」をこすり合わせて、ポエティックな生を展開している。
(依田仁美・栞より)
第1歌集
2011年11月9日発行
四六判並製カバー装152頁
定価:本体1900円[税別]
装幀/真田幸治
カバー・本文イラスト/Ryoojing |
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井上春代歌集
『陽だまり』

・大学の演習林のくらがりを
通りぬけたる風がおいしい
・二十年前痛めし膝をだましだまし
使いて化石となる気配する
・対面式キッチンの向こう
スペースが広すぎるのも淋しきものを
井上春代さんのうたは、明るくて、軽々として、小気味よい歌だ。なにげない日常生活の中からするどい矢を放ってよこす。肩を怒らせて苦吟するのでなく、やすやすと唇に上った発見のひとつひとつが、明晰な一首の短歌になって、読む者はしばし、言葉の海のみぎわに楽しむ。
(小池 光・帯より)
第1歌集
跋・中地俊夫
2011年10月11日発行
四六判並製カバー装208頁
定価:本体2300円[税別]
装幀/真田幸治 |
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杉附P夫歌集
『食卓の音楽 新装版』

はばたく言葉、
みずみずしい抒情、
そして自由なる詩想
幻の第一歌集、
刊行より24年を経て、
待望の新装版。
228首収録。
各章扉に著者撮影の写真。
栞=前田雪子・永井陽子・井辻朱美・中山明
・ティ・カップに内接円をなすレモン
占星術をかつて信ぜず
・くだものの皮ほぐれつつくだものの
芯にサティのオルゴール鳴り
・たくさんの空の遠さにかこまれし
人さし指の秋の灯台
・少しさむい春の夜だからワグナーの
トランペット群ぎんいろがよい
・かなしみよりもっとも無縁のところにて
りんごの芯が蜜を貯めいる
第1歌集 新装版
2011年9月22日発行
A5判並製カバー装154頁
定価:本体2000円[税別]
装幀/真田幸治
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森映子歌集
『頭をすべて空っぽにして』

・教室にワックスかけて花飾る
頭をすべて空っぽにして
私は、森さんの無器用さが好きである。己の弱さを知る者は、強く生きられると信じている。彼女を知る人は、彼女を羨む。
(佐藤千代子・跋より)
・ただ何もすることがないからじゃなく
したくないから海を見つめる
・君たちがまっすぐ生きるということを
軌道のない我に教えてくれる
・我のこと「向日葵だね」と言った君
今でもそうだと言ってくれるか
第1歌集
平成23年8月22日発行
四六判上製カバー装180頁
歌と鑑照叢書第264篇
定価:本体2500円[税別]
装幀/真田幸治
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五十嵐敏夫歌集
『淡き日輪』

・六本木ヒルズはなけれど青空に
雪をいただく月山があり
・照れもなく君の手をとり歩みゆく
初めての道哲学の道
五十嵐さんは、短歌ばかりではなく畑作にも大いに意欲をしめしていて、そこから想を得た、こまやかな自然詠も魅力にとんでいる。スポーツマンであった人の心の底に、このようなナイーブな感性がどのようなかたちで湛えられていたのかをふしぎにおもう……
(三井ゆき・跋より)
第1歌集
平成23年8月10日発行
四六判上製カバー装188頁
定価:本体2200円[税別]
装幀/真田幸治
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関谷啓子歌集
『梨色の日々』

・誰からも好かれていると言われれば
ペンペン草のようなさびしさ
・娘の部屋はわが部屋となり
いくつかの金の画鋲を壁よりはずす
・雲ばかり見ているうちに夕雲に
なってしまいしわれかもしれず
しなやかに、たおやかにマイペースを貫く関谷さんの勁さは作品のやさしさでもある。何かをことさら主張しなくても、ありようそのものが主張として存在する歌との一体化、その繊細に私はこころ動かされる。
(三井ゆき・帯より)
第5歌集
平成23年7月18日発行
四六判上製カバー装222頁
定価:本体2500円[税別]
装幀/真田幸治
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『熕」一誌アルバム』

*本書は非売品です。入手を御希望の方はメールにてお問い合わせください。
没後10年。
140枚の写真(うちカラー54枚)により、71年の生涯を振り返る。
水彩画2点収載。
平成23年5月12日発行
A5判上製カバー装84頁
六花書林制作
非売品
限定150部
造本/真田幸治
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鈴木竹志評論集
『孤独なる歌人たち 現代女性歌人論』
第2回中日短歌大賞受賞

河野愛子、加藤淑子、横山未来子、
冬道麻子、永井陽子、沢口芙美を論じる
人間はどうしようもなく、孤独と向き合わざるをえない。しかし、孤独とどう向き合ったかによって、その人の真価が決まる。私は、この「孤独なる歌人たち」を書き続けることによって、女性歌人たちが孤独とどのように向き合ってきたかを考えることができた。それは取りも直さず、私自身がどう孤独と向き合うかを考えることでもあった。
(本書より)
I 河野愛子論
はじめに/『魚文光』という歌集/『魚文光』を読む/『鳥繭』を読む/『黒羅』を読む前に/『黒羅』を読む/『反歌篇』の世界/『夜は流れる』以降/終わりに
II 孤独なる歌人たち
加藤淑子の歌/横山未来子の歌/冬道麻子の歌/永井陽子の歌/沢口芙美の歌
2011年5月16日発行
四六判上製カバー装208頁
コスモス叢書第967篇
定価:本体2500円[税別]
装幀/真田幸治
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合同歌集
『間奏曲』インテルメッツォ

すでにながいキャリアを積み、個人の歌集を刊行しているメンバーの、ノートによる輪読の勉強会の一つの成果として編まれたという点で、めずらしい合同歌集なのではないかと思う。それぞれの世界をもつ、四人のかたがたの合同歌集を、とてもいい光景として感じている。
(源 陽子・『間奏曲』を読む より)
・絞られし明かりのなかのペンの文字
筆の文字を一生(ひとよ)を貫ける文字
糸永知子
・やほよろづの神のいませるトポスにて
粛々とわれは歯を磨きをり
河野泰子
・菓子箱にいせ辰千代紙貼りし日の
ふのりの匂い騙されていい
寒野紗也
・「羽衣」を観て帰る街降るとなく
雪人々の肩に散りおり
山本照子
2011年4月5日発行
A5判上製カバー装170頁
定価:本体2000円[税別]
装幀/真田幸治
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志田節子第一歌集
『若木山 をさなぎやま』

札幌での生活は故郷の山形で過ごした年月をとうに越えている。にもかかわらず著者がこれだけ強く望郷の念かられるというのは、故郷大井沢が著者にとって何物にも代えがたい地であるからなのだろう。
(中地俊夫・跋より)
・水のかたへに若き夫と子と
唐黍を食む家族がありき
・「山河有情」父の書の軸
かすかなる風に動けりふるさと恋し
・逝きてなほ夫はわたしの守り神
大きな長靴玄関に置く
2011年3月6日発行
四六判上製カバー装214頁
定価:本体2500円[税別]
装幀/真田幸治
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人見邦子第六歌集
『春風つかむ』

・歩むとき秋の耳殻をやはらかく
刺激してゐるくさぐさのこゑ
・何かしらからだの内より動きだし
手足ゆはゆは春風つかむ
・錆の浮くノブ開かれて
ルネッサンス咲きたる時のまほろばに立つ
さまざまな旅を重ねて、夢と現の間を浮遊し、彷徨する言葉たち。
〈世界〉を言葉によって捉えることで、新たな輪郭を描く。
2011年1月21日発行
四六判上製カバー装158頁
定価:本体2500円[税別]
装幀/真田幸治
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