内藤明第四歌集 『夾竹桃と葱坊主』 やや重きスタッカートを聴きながら 大和の歌を文字に追ひゆく 壮年の充実の日々、時折歩みを止める。 景色はとどまることがない。 深まりゆく思索のなかで、 おだやかな抒情が昇華し、 詩境が自在に飛翔する。 平成20年12月25日発行 A5判上製カバー装180頁 音叢書 定価:本体2700円[税別] 装幀/真田幸治
本間次郎第一歌集 『間奏曲』 目の限り気怠き桃の花がすみ 間近に寄れば力ある花 作品からは積極性のある芯の強い真っ直ぐな性格が読みとれる。妙な屈折がなく前向きなのである。おそらく病みがちな肉体を保守しながら、健全な社会生活を営もうと努力することにより、精神的には人一倍鍛えられたものであろう。 (蒔田さくら子・跋より) 平成20年11月17日発行 四六判上製カバー装224頁 定価:本体2500円[税別] 装幀/真田幸治
熊谷龍子第五歌集 『無冠の森』 〈父の樹〉とよぶ樹の陰に稚児百合が 咲きぬ 未生のこどもように 視野の限りの夏緑林は、一様にこの季を謳歌しているように見える。そこには、人界のような位もなければ、まして序列もない。位階をもたない樹木たちは実に伸び伸びと〈適地適木〉を全うしている。この界こそ、〈無冠〉という言葉が相応しい。 (「あとがき」より) 平成20年10月30日発行 四六判上製カバー装224頁 定価:本体2100円[税別] 装幀/真田幸治
野田節子第一歌集 『山巓』 山靴にびつしり露がたまりゆく熊笹わけて草原登れば 夫とともに巡る山々。 短歌形式を通し、来し方を振り返り、 豊穣なる時間の断片を詠み継ぐ。 昭和三十七年から現在までの作品を収録。 平成20年9月27日発行 四六判上製カバー装264頁 定価:本体1800円[税別] 装幀/真田幸治
大辻隆弘 著 『時の基底 短歌時評98−07』 ※品切れ 短歌はこんな風に世紀を超えた ニューウェーブから遠く離れ、 ひたむきに短歌を捉えなおし、 時代と自分の信念を 真摯に切り結ぶ渾身の93篇 【本書の主な内容】 加藤治郎と九〇年代、岡井隆の国家観、ネット歌人は傷つかない、ブンガクになりたい病、穂村弘と釈迢空、俵さんが泣いた日ほか…… 平成20年9月9日発行 四六判上製カバー装336頁 定価:本体2800円[税別] 装幀/真田幸治
加藤和子第一歌集 『初めての物語』 さみどりの庭に夕光翳るとき一本の木がわれに近づく 陽にきらめきながら海へと流れてゆく水。私の歌も大海へ運ばれてやがて消えてしまうことでしょう。それを良しとします。 (「あとがき」より) 平成20年8月23日発行 四六判上製カバー装198頁 定価:本体2500円[税別] 装幀/真田幸治